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私たちの事務所では、住宅をはじめ、事務所や店舗、又、公共建築などを手がけていますが、建築の基本は住宅ではないかと考えています。商業建築や公共建築はそれぞれの用途に合った目的を持ち、みんなが使いやすくなるように考えていますが、住宅は住む人個人が使いやすく、なおかつ、快適で安心できるところでなくてはなりません。住宅は方眼紙があれば、誰でも簡単にプランがつくれるかも知れませんが、本当に住む人の事を考えてプランをすると、これほど難しい建物はありません。
家は、非常に高価な買い物です。しかも何十年、何百年以上も使うものです。
それなのに、意外と簡単にきめていないでしょうか?
その家に住んでいた赤ちやんが成人して、結婚、さらに親になるまでの事を想像してみると、どれだけ永い間、使うものかよくわかると思います。
個性的な生活をしたいと思っていてもみんなと同じようになってしまいがちです。
洋服や自動車等、工業製品は大量につくられた既製品です。それらを組み合わせて、個性を出すの難しいかもしれません。その中で「住宅=家」は、今残された数少ない
オーダーメイドのできる(個性の出せる)ものだと考えています。
住宅でいう個性とは、形が奇抜だとか、高いものを使っているとかではありません。
一つ一つの家族に一つ一つの家がある様に、その家に住む人、生活が、その家族単位ですべて違うという事です。
私たちの事務所に住宅設計を依頼する人は、自分たちに合った家はどんな家だろう、自分たちの考えている生活ができる家はどうすればできるのか、小さな敷地だけど住める家ができるか、予算がないのでローコストに建てる方法はあるのかなど、
なかなか難しい注文が多いです。
しかし、それこそがその家族の個性であり、自分の家をオーダーするという
ことなのではないでしょうか?
難しい注文ほど、やりがいがあり、とても楽しい仕事になります。
何十年も使う家ですから、基本設計にたっぷりと時間をかけ、じっくり考えて
計画して行きたいです。 |
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