ドラテク 初級編



タイヤのフィーリング
まずは、なりよりタイヤのフィーリングを身につけよう。

タイヤには、大まかに分類して3つの状態がある。
完全にグリップしているときと、
半分スリップしているとき、
そして、完全にスリップしているとき。
どこかのホームページに「タイヤは30%スリップしているときに最大のグリップを発揮する」
って書いてあった。
経験からして、その通りだと思う。
よって、カートは半スリップ状態で走らせるのがよい。
まずは、この半スリップ状態の感触をつかむことが重要だ。
ブレーキングで説明すれば、
軽く踏めば、後輪はグリップ状態でゆっくりと減速していく。
強く踏めば、後輪は完全ロックし、グリップを失いエンジン音が全くしなくなる。
この状態で少しでもバランスを崩せばスピンする。
程よく強く踏めば、後輪は半スリップ状態になる。
このときは、明らかに後輪のグリップ感がなくなるが
エンジン音は止まっていないのでその状態であることが分かる。
恐らく、路面の凸凹で、タイヤに荷重がかかる瞬間にグリップ、
荷重が抜ける瞬間にスリップしているのではないかと思われる。
まあ、ブレーキング時の半スリップはスピンに直結するので
慣れないうちはコーナーリングで練習したほうがよい。
しかし、上級者ともなれば毎回この状態でブレーキングを行う。

コーナーのスピードを徐々に上げていき、
アンダーが出てきたらフロントタイヤが半スリップ状態。
アクセルを踏んでリアが少し流れてきたらリアタイヤが半スリップ状態だ。
車は弱アンダーの方が早く走らせられると良く言われるが、
これは、アンダーが出てしまっても
アクセルを踏み込むことによってリアタイヤが滑り、
そのアンダーを打ち消すことができるからだ。と、思う。
そのとき、タイヤは前後とも半スリップ状態なので最大のグリップ力を発揮していることになる。
しかし、これはカートでは難しい。
エンジンのパワー(回転数でも違う)が不足していると
アクセルを踏んで必ずリアが流れてくれるとは限らない。
それでも限界コーナリング中なら確実に流せるが、
アンダーが出ているときは車も曲がっていないので
リアがしっかりグリップしている場合が多い。
そんなときにアクセルを踏んでもコーナーの外に向かって加速していくだけだ。
だからこそ、この弱という表現になるのだろうけれど。

なんにせよ、
同じ条件なら、マシンの性能を100%引出したやつが速い。
そして、とにかく走ること。
走った分だけ速くなる。


タイヤの使い方
タイヤは、前後で太さが異なる。
殆どの人は、フロントのタイヤが先に減るようだ。
たまにいるドリフト好きな人は、リアが先に減る。
私は、貧乏カーターなので、もったいない主義です。(^^;
両方同時に減るようにドライビングします。
ところが、逆に考えてみた。
なぜ、タイヤの太さがこのように決められているのか?
同じ太さのタイヤだと、具合がよくないからに違いない。
後ろが滑りすぎるので太くしたのか?
だとしたら、このサイズがバランスのよいサイズのはずだ。
フレームの特性も、このタイヤに合わせて作られている。
と考えれば、このバランスで同じようにタイヤを使えば
同じように前後とも減るはずで、
そのドライビングがカートには一番合っていて
一番速いのではないかのではないか?
と、思う。

ただ、気温や路面状況、カートのコースによって
減り方も違うはずなので一概には言えないが、
前後とも同じように減らすことができるドライビングは、
そんな事を考慮しても最も汎用的に使えるテクニックだと思う。
フロントが先に減る人は、もう少しドリフト気味に。
リアが先に減る人は、もう少しグリップ気味に走ってみるのはいかが?


コーナリング中のアクセル
コーナリング中のアクセルは完全に離してしまうと
エンジンブレーキがかかるので、
タイヤは減速するためにグリップ力を使うことになる。
そうなれば、タイヤのグリップ力の100%を曲がることに使えなくなるので
コーナーリング速度は遅くなる。
(エンジンブレーキで遅くなる事ではない。スピードが遅くなればそれだけ楽に曲がれるのだから。)
よって、基本的にエンジンブレーキがかからない程度に少し踏んでおく方がよい。



コーナリング中のハンドル操作
ハンドルはやさしくやさしく扱うこと。
ちょうどイン側の片手の人差し指と親指だけで握るようなイメージだ。
もう片方の手は添える程度。もしくはハンドルを放しておく。
そして、一定の力で引くこと。
ハンドルは路面の凹凸によって、軽くなったり重くなったりする。
ハンドルを取られるからといってしっかり握っていては良くない。
ハンドルの暴れ具合をやさしく受け流す感じにすると
コーナーリングの姿勢がとても安定する。

カウンターは、できるだけ素早く当てる事。
早ければ早いほどハンドルを切る角度も少なくて済むし
タイムに与える影響も少なくて済む。
遅ければ、その分姿勢の乱れが大きくなるわけで
カウンターが必然大きく長くなり、スピードが落ちてしまう。


コーナリングライン
コーナーを通過するとき、一番速く走るラインは?
それは、最も高速に曲がればいい。
最も高速に曲がるためには?
回転半径Rが大きい方が良い。
となれば、「アウトインアウトが最も速い」という結論に達する。
しかし、コースはコーナーだけではない。
直線もある。



では、ヘアピンの前後に直線がある場合を考えてみる。
aはオーバースピードでコーナーに突入し、立ち上がりがきついRとなっている。
bはコーナーを最も早く通過するライン。
cはブレーキをしっかり行い先に曲がり、立ち上がりはゆるいRとなっている。

aは、進入スピードが速いので、最初の直線を最も速く走ることができる。
bは、コーナーを最も早く走ることができる。
cは、立ち上がりで加速できるので、コーナー後の直線を最も速く走ることができる。

では、これがコース全体となるとどうなるか?
コースを走行しているときに
アクセルを踏んでいる時間のほうが、ブレーキングの時間より明らかに長い。
ならば、アクセルを踏んでいる直線でのアドバンテージは
ブレーキング時のアドバンテージよりもはるかにタイムへの影響が大きいはず。
ということで、基本的にコーナーラインは、cがよい。

では、aは全く使えないのか?
そんなことは無い。
→前車をパスする方法

速いドライバーと、そうではないドライバーのコーナーリングラインの差は、
10cmも無いかもしれない。
しかし、その差が回数を重ねることによって
一周でコンマ数秒の差となっていく。

一度は速い人の後ろを走って見よう。(難しいかもしれないが)
そして、タイヤ一つ分のライン差を見逃さないように。


緊急回避咄嗟のブレーキ
モータースポーツに事故はつき物。
直前を走る車が、突然スピンしたり、ライバル者と絡んだり。
とにかく止まらなければならないときは、当然ブレーキを目一杯踏もう。
そして、スピンし、後ろを向いたほうがいい。
後ろを向くと、フロントブレーキ状態となり、ブレーキがよく利く。

 

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