七輪と焼き網のある風景。
私は、椎茸が食べられない。
”食べられないレベル” がどのくらいかというと、「もしも、無人島に漂着して、椎茸しか食べ物がなかったら、どうする??」 という質問に対して、
「( ̄〜 ̄;)ん〜〜〜・・・どうしようかなぁ・・・」
と、真剣に考え込むくらい、食べられない。これは、かなり重症といえる。
しかし、そんな私にもちょっとした夢がある。それは椎茸を食べるという夢だ。それも、ただむしゃむしゃと食べるのではない。・・・・それでは、私のささやかな夢の一部始終を、どうぞ。
夕暮れ時である。場所は、小さな、しかし、こざっぱりとした庭に面した縁側。時折、初秋のさわやかな風が通り過ぎていき、家路を急ぐ子供たちの声や、家々の煮炊きの湯気をほんのりと運んでくる。
そんな縁側に七輪を出し、火をおこし、網をのせる。そしてその上で、大きくて、肉厚の、ジューシーな椎茸をあぶる。ちょうど良い頃合を見計らって椎茸を七輪からおろしたら、かぼすを”ちゅっ”と絞り、醤油をさっとかける。この、あつあつの椎茸を肴に、日本酒をキュッと一杯・・・
「クゥ〜〜ッ!!こりゃぁ、たまんねぇなぁ〜〜・・(*~ρ~)ノ∪ ウィ〜〜!」
いやぁ〜〜美味しそうですよねぇ。すごい美味しそうだ。きっと美味しいんだろう。いや、美味しいに決まっている。・・・・是非、食べてみたい。んでもって、「クゥ〜〜ッ!!」 って、言ってみたい。きっと、この世の極楽なんだろう。
しかし、である。
私は、椎茸が食べられない。ついでに、日本酒も飲めない。『大きくて肉厚でジューシー』 どころか、けんちんに入った薄っぺらな椎茸さえ、眉をひそめて箸でよけている有様である。
このことを考える時、私は、その人生において、みんなよりもひとつ損をしているような気がする。いや、確実にしているのだ。悲しいことだ。
まぁいずれ、椎茸しか食料のない無人島に漂着でもしたら、試してみようと思っている。あとは、無人島に七輪と焼き網があることを切に願うばかりである。
ドウカドウカ・・・( ̄人 ̄) 七輪・・焼き網・・
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