厄介なお荷物。





たとえば。


小柄な男の人が好きだ。
小柄で、中性的で、年齢不詳であれば完璧だ。


朝、カフェオレを飲む。
たとえ朝食が納豆ご飯と味噌汁だとしても。


犬は可愛い。
なのに猫ばかり3匹も飼っている。


何故?と訊かれても困る。自分でもわからない。


それはたぶん、
単なる好みであり、
単なる巡り合わせであり、
単なる偶然であり、
そこに理由や理屈があるかもしれない・・・・なんて、
考えたこともない。


しかし。


説明のつかないことをたくさん抱え込むというのは、
そんなに悪いもんじゃない。
時々、それは厄介なお荷物だけど、
でもそれは、私が私であることのささやかな証拠みたいだ。


そんなことをぼんやりと考えながら、
今朝もカフェオレを飲んでいる。
膝の上では猫が眠っている。


そして、
小柄でも、中性的でも、年齢不詳でもないつれあいが、
寝ぼけ眼で逆さまの新聞を読んでいる。