ずうっと舐めていると、だんだん甘くなるからね。





今までの月下の人生で、もっとも 「してやられたっ!!」 と思った、ある事件を思い出したので、そのことを書いてみようと思います。


それはまだ月下が幼稚園生の時(おっそろしく昔の話です)。


ある日曜日のことでした。月下パパが 「ほら月下、これはね ”石ごろも” というお菓子だよ」 と言って、白くて丸い、小さなお菓子を掌にのせて、月下に差し出しました。「ずうっと舐めていると、だんだん甘くなるからね」
月下はその小さなお菓子を口に入れました。


ところが、いくら舐めていても何の味もしないんですよね。まったく甘くならない。甘くならないどころか、無味無臭。”へんなお菓子だなぁ” とは思いましたが、月下パパが「ずうっと舐めていると、だんだん甘くなる」 と言ったことを思い出して、ずうっと舐めていました。


お昼ご飯の時には、小さなお皿に石ごろもを出しておき、食事が終わると、またまた口の中に。


さらにおやつの時間になり、再びお皿の上に石ごろもを大事にのせておりましたら、月下ママがやって来て、「月下、何してるの?」。そこで月下は 「これはね、石ごろもっていうお菓子で、ずうっと舐めているとだんだん甘くなるんだって。パパが言ってた。」 と、得意気に説明したのでした。
そして、私の大事な石ごろもをしげしげと眺めた月下ママから、驚愕の一言。


ママ : 「これ、石だね。」

月下 : 「ぇ…llllll(= =;)llllll  石・・・・ですか?」

ママ  : 「うん、石だね。ぜんぜん、石だね。」

月下 : 「Σ(=д=ノ)ノ ひょぇ〜!! 」


それだけだって、穢れを知らない幼子にとっては充分ショッキングなのに、そこへやって来た月下パパから、さらに追い討ちをかけるかのような一言。


パパ  : 「えっ・・・・まだ舐めてたの?」 

月下 : 「 llllll(T T )llllll ウルウル・・・」


・・・・結局、私が半日もの間、後生大事に舐めていた ”石ごろも” の正体は、月下パパが川原で拾ってきた石であることが判明。
月下は悔しさのあまり泣き狂い、パパは駅前の和菓子屋さんまで、本物の石ごろもを買いに行かされる羽目になりました。


こうして、本物の ”石ごろも” に対面することとなったわけですが、確かに、姿形といい、質感といい、月下が半日しゃぶっていた ”偽ごろも” とよく似ているんであります。川原を散歩していてその石ころを見つけ、わざわざそんな悪戯をするために持って帰り、キレイに磨いたのだということでした。万一、飲み込んだりしたら、どうするつもりだったんでしょうね?まったく。どうかしてる。


まぁ、そういう両親に育てられて今の自分があるわけですが、このへんを深追いすると自己嫌悪に陥りそうなので、この辺でやめとこ〜〜っと(逃)。