豊かな心を育てる部活動
                         
 部活動は、学校において計画する教育活動で、顧問教師の指導のもと、スポーツに興味と関心をもつ同好の生徒で組織し、部員同士の切磋琢磨や自己の能力に応じてより高い水準の技能や記録に挑戦する中で、スポーツの楽しさや喜びを味わう自主的・自発的活動です。部活動の意義としては、次のことが考えられます。

心身をリフレッシュさせるだけでなく、仲間とともに自主的・自発的に行う活動が多くの生徒に喜びと生きがいをもたらし、学校生活を豊かで充実したものにする。

スポーツの専門的技能や知識を身に付け、生涯にわたってスポーツに親しむ能力や態度を育てるとともに、体力の向上と健康の増進を図る。

学級や学年を離れた集団の中で、互いに認め合い、励まし合い、高め合いながら自己の存在や責任を見つめ、豊かな人間性や社会性を育成する。

共通の目標に向かって努力する過程を通して、顧問と生徒、生徒同士の信頼関係が深まり、教員にとっても、生徒理解をより深めるための重要な機会である。

運動部活動の充実により、生徒一人一人の教育活動全般への意欲が高まり、学校全体が活性化する。

競技力の向上や、スポーツ・文化の普及・発展に重要な役割を果たす。

 以上のように、部活動は単なる文化スポーツの普及、振興にとどまるだけでなく、生徒の心身の健全な育成と豊かな人間形成を図る上で、極めて大きな意義をもつ教育活動です。しかしながら、最近、小子化に伴う生徒数の減少、顧問の高齢化や専門的指導力を有する指導者の減小などにより、休・廃部による部の減少は、生徒の多様なスポーツ活動へのニーズにこたえることができない状況を生み出しています。
 このような状況を背景に、地域指導者の活用や複数校合同部活動の推進等、柔軟な運営に努めると同時に、地域の実態等に応じて、部活動と地域の文化・スポーツ活動が連携し、生徒の学校内外におけるスポーツや文化活動を豊かにしていくための環境整備が求められていますので、学校においては、様々な変化に対応し、地域との連携も視野に入れた適正な運動部活動の推進・充実に向けて、努力しています。



 豊かな心を育てよう、中学校・高等学校の時期を通じて、心も発達します。部活動は、心の発達にも大きく貢献しています。直接的には、ストレス社会といわれる現代を生きる子どもたちの、精神的なストレスを解消するのに役立っています。また、ルールやマナーを守る社会性も身に付きます。さらに、部活動を楽しむ中で、運動機能や体力の向上が図られるだけでなく、友人や家族とのコミュニケーションの機会が得られ、その結果、精神的発達が促進され、心身のバランスのとれた人間を形成する上で大きな役割を果たしています。
つまり、運動部活動では、物事を正確にとらえて適切に判断を下す経験や、仲間や指導者、競技をする相手、応援してくれる人々など、多くの人と直接的なかかわりを経験する中で、知的、情緒的、社会的な発達を促し、豊かな人間性を育成します。