2.各種保険取り扱い、医療費控除について

鍼灸治療・マッサージは多くの皆様にご利用され高い評価を頂いておりますが、その各種保険取り扱いの普及は充分とは言えません。つまり、病院・医院や歯科医院での保険による受診は保険証を提示するだけで簡単に診療を受ける事が出来るのに対し、鍼灸治療・マッサージではこれから紹介する厳しい制約と、複雑な事務処理をクリアしなければなりません。このような事情をご理解頂き、多くの皆様が保険の恩恵を受けられるよう患者さんの立場に立ってまとめてみました。

  1. 自賠責保険による(交通災害共済を含む)
  2. 健康保険によるマッサージ治療(往療を含む)
  3. 健康保険による鍼灸治療

1.自賠責保険による(交通災害共済を含む)

交通事故による「むち打ち症」等の後遺症がなかなか治らない時に、鍼灸やマッサージで神経や筋肉の緊張を取り除き、欝血を散らし全身のバランスを整える治療をしますと、身体の症状は軽くなり早く治る事があります。もし、このような治療を希望される時は、事故後のお世話をしてくれている保険会社か共済組合の担当者に、鹿行はり灸マッサージ療院にて鍼灸マッサージの治療を受けたいと申し出て下さい。そして、保険会社か共済組合の担当者の連絡先を当院に教えて頂きますと、無料で治療する為の手続きを致しますし、多くの方々がその恩恵を受けています。
なお、それぞれの症状に対し鍼や灸が適しているのかマッサージが適しているのかについては、当院での実績を踏まえご指導いたしますが、患者さんのご希望も十分取り入れ施術にあたりますので、お好みの治療手段を遠慮なくお申し出ください。

2.健康保険によるマッサージ治療(往療を含む)

健康保険(社会保険・共済保険・国民健康保険・老人保険)によるマッサージの治療対象となる疾患ですが、麻痺症状と関節の運動障害です。たとえば、脳出血等の半身不随と半身麻痺、顔面神経麻痺、手術後の関節が固まった時の運動障害で医療上の必要性が認められた場合に適応となります。もちろん、当院への通院が不可能な方に対してはこちらから往療にお伺いします。
 病・医院に保険証を提示すれば、ほとんどの病気は健康保険で診療を受ける事が出来ますが、当院に保険証だけ提示して頂いても直ぐには健康保険によるマッサージ治療は出来ません。医師の診察を受け同意書を頂いた上で、保険証と印鑑を持参していただき、治療者に事務処理を委任する旨の書面に署名・捺印をして頂ければ当院で手続きを行ないます。
保険で認められている治療の間隔と回数は特に制限はありませんが、往療の場合は週2回程度を目標としております。また、保険によるマッサージ治療は、医師の診療と併用できますので、定期的に医師の診察も受けるべきでしょう。

3.健康保険による鍼灸治療

健康保険(社会保険・共済保険・国民健康保険・老人保険)による鍼灸治療の対象となる疾患ですが、神経痛・リウマチ等の慢性病と、その類似症(頚肩腕症候群・五十肩・腰痛症・頚部捻挫後遺症)です。ただし、一定の期間(3週間程度)医師の診療を受けても効果が上がらず、担当医から鍼灸治療を認める旨の同意書が頂けた場合に限ります。同意書用紙は当院にありますのでお気軽にご相談下さい。
 さて、以上のような条件を満たす事が出来たら鍼灸治療を開始しますが、同じ疾患に対する鍼灸治療と医師の診療を併用する事は出来ません。たとえば、腰痛症の時に病院で牽引や鎮痛剤の処方を受ける事は出来ませんから一旦、医師の診療は止めて頂くことになります。また途中で再び医師による治療に切り替えたい時は遠慮なく当院に申し出て下さい。また、上記の疾患の中で一つしか保険の請求が出来ません。たとえば、腰痛症と五十肩を治したい時は、どちらか一方を選んで頂くか片方を保険外として治療する事になります。
病・医院に保険証を提示すれば、ほとんどの病気は健康保険で診療を受ける事が出来ますが、当院に保険証だけ提示して頂いても直ぐには健康保険による鍼灸治療は出来ません。医師の診察を受け同意書を頂いた上で、保険証と印鑑を持参していただき、治療者に事務処理を委任する旨の書面に署名・捺印をして頂ければ当院で手続きを行ないます。
保険で認められている治療の間隔と回数は特に制限はありませんが、月15回程度を目標に施術しております。


この他、長期療養の必要な患者さんにお勧めしているものに「医療費控除制度」があります。他の医療機関での医療費の自己負担分や薬局で買い求めた治療を目的とする医薬品等の領収書と共に、当院発行の領収書の合計が年間10万円を超えますと控除の対象となりますので遠慮無く申し出て下さい。


鍼灸治療を長期間ご利用されている方は、その優れた効果について肌身で感じて頂いている事と思います。今後、厚生労働省が目指している「予防的医療手段」として重要な役割を果たす事と思われます。また、昨今の厳しい健康保険の財政状況に対しても、安全性の高い鍼灸治療は赤字幅の軽減に役立つでしょう。その為にもこの業務に携わる私達は、知識と技術と人格を磨き、皆様方の期待に応えられるよう努力します。
 このようなすばらしい医療ですから、多くの皆様方に注目されている事は大変ありがたいのですが、この業務を無免許で行うばかりではなく、違法な広告をばらまいて医療の秩序を乱している業者がいます。このような違法業者はここに紹介した3項目の保険の給付はもちろん受けられませんし、私達もこれらの業者を世の中から排除出来るよう努力しておりますが、医療行政関係者や患者さんのご協力を切にお願いしたいと思います。


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