病名・症状名 | 治癒 | 改善 | 不明 | 不変 | 総数 | |
---|---|---|---|---|---|---|
関節痛 | 65 | 136 | 64 | 10 | 275 | |
膝の痛み | 18 | 56 | 23 | 2 | 99 | |
肩関節の痛み | 25 | 54 | 29 | 3 | 111 | |
肘の痛み | 4 | 8 | 6 | 3 | 21 | |
足首の痛み | 10 | 7 | 1 | 1 | 19 | |
手首の痛み | 4 | 3 | 3 | 1 | 11 | |
慢性関節リュウマチ | 4 | 8 | 2 | 0 | 14 |
畳に座る事の多い日本人の生活習慣においては膝にかかる負担は大きく、高齢者で体重が増えますと膝の痛みを更に悪化させ治りにくくなります。医師から「治りにくいですよ」と言われても、鍼灸治療と当院で指導している体操を根気よく続ける事によって、疼痛の軽減や運動範囲の拡大が期待できます。また、膝に溜まった水を抜いて貰っても直ぐに溜まってしまう時は、膝の周りにお灸をすると良くなる事がありますのでお試し下さい。
ここでは、皆様にお馴染みの五十肩について簡単に説明しましょう。そもそも関節というのは骨と骨が動くように接続している場所ですが、肩関節は一番運動範囲の広い関節ですから、他の関節のようにお互いの骨がしっかりと結びついてなく、そのぶん周りの靭帯や筋肉が支えています。激しい運動や長期間の過労によって肩関節周囲の靭帯や筋肉に負担が掛かりすぎますと、炎症・癒着・変性・石灰沈着等を起こして、肩関節周囲の痛みや運動範囲の制限となります。これを[肩関節周囲炎]といい、一般に言われる五十肩の事です。
急性期は、安静を保ち痛みを抑える治療をします。腕の置き場に困るような疼痛に対しては、脇の下にバスタオルを挟んだり、枕をあて楽な姿勢を見つけて下さい。慢性期に入りましたら無理のない範囲で腕を動かすようにしましょう。いずれにしても肩を冷やさない事が大切で、当院ではサポーターの着用をお勧めしております。
肩の痛みは五十肩だけではありません。それぞれの病状に併せた適切な対応が出来るような勉強をしておりますので、発病までの経過や現在に至るまでの状態を判る範囲で教えて下さい。
当院での集計では、腕全体の疲労が原因で痛めた症例が多いのですが、テニス・野球・ゴルフ等で手首を酷使した時に発病するという事です。これらのスポーツに関わっていて肘の痛みが取れない時は、経験豊富な専門医の診察を受けると共に、プレーのあり方を検討して下さい。
この症状で来院された患者さんは、痛風の一人を除き、全て捻挫による腫張と熱を伴う痛みでした。
骨折している時は専門医の診療を受けて頂くとして、消炎・沈痛を目的とする鍼灸治療の効果は十分期待できます。急性期には冷湿布やテーピングによる固定も必要ですが、既存の湿布薬で腫れや痛みが治らない時は[オーバク]という漢方薬をお勧めしています。急性期から慢性期への移行期には、冷湿布を貼っていても心地よい感じがなくなりますので、温湿布に切り替えて下さい。
リウマチという病気をご理解頂くために、西洋医学で考えている診断基準を簡単に紹介しましょう。
以上7項目の内、4項目に該当する時に[慢性関節リウマチ]と診断されます。診断の結果、4項目以下でリウマチという病名が付けられないばかりかその他の病気も見つからない場合や、リウマチと診断されて治療を受けているが治らない場合は鍼灸治療の対象です。ここで取り上げた14人の患者さんも、[慢性関節リウマチ]と医師からの診断を受けた方はその疑いも含めて6人でしたが、当院での診療分類ではリウマチの中に含めました。
リウマチの原因としては、自分の体の組織(ここでは関節)を異物と間違えて攻撃してしまう免疫反応を起こす[自己免疫病]という説が有力ですが、なぜこのような免疫反応が起こるのかは解明されていないのが実状のようです。
当院で行っている治療の方法ですが、各関節に対する消炎・鎮痛効果を目的とする処置と、その他に、免疫異常に対する治療法を行います。腎臓の働きによって管理される先天の元気、脾臓の働きで作られる後天の元気(
衛気栄血について
内の先天・後天の元気を参照)の機能を高める目的で腰の8カ所に鍼を刺し、その鍼の頭にお灸をする[灸頭鍼]という治療をする事によって一定の効果を上げています。
ただし[自己免疫疾患]という難しい問題を抱えていますので、必要に応じて医師の診察を受けて頂く事もあります。