過労や外傷による痛み

病名・症状名 治癒 改善 不明 不変 総数
過労や外傷による痛み 12 17 7 0 36
  スポーツ傷害 6 14 5 0 25
交通事故後遺症 6 3 2 0 11

過労による筋肉痛に対しては十分な休養を取る事が大切ですが、急性の激しい症状に対してはアイシングやマッサージ療法も効果があります。鍼灸治療の立場では、慢性化した頑固な筋肉痛や関節痛に遭遇する事が多くなります。ここではスポーツに関わる症状を取り上げてみました。
 また外傷の直後は、骨節・脱臼・出血等に対する専門医での診療を受けて頂きますが、病院での理科学的検査を行っても異常がなく、痛みや痺れ等の苦痛が残る時は鍼灸治療をお勧めします。ここでは交通事故後遺症としての[むちうち症]を取り上げてみました。

1.スポーツ傷害

職業としてだけではなく、健康やレジャーを目的とするスポーツ愛好家は多く、それに伴う傷害も付き物です。傷害の原因は、無理な練習・競技計画、用具の不適正、不慮の事故等です。それぞれの競技における動作の特徴を術者も学ぶべきですが、私の場合そこまでは出来ていません。当院では患者さんの訴えや動作の再現によって患部を診察し、鍼灸で可能な範囲の処置を行っています。以下、集計期間中に治療した個々のスポーツ傷害の概要を紹介します。

剣道
患者数は7人で、全ての自覚症状は改善しています。治癒と判定できないのは、ハイレベルの段位で活躍されている方々ですので、十分な休養を取れず、常にハードな稽古をしなければならない事による再発の繰り返しという悪循環から脱皮できない為と思われます。
 主な傷害部位は、肩関節周囲、腰部から下肢の筋肉や関節ですが、気を付けて頂きたいのが顔面です。指導的立場にある為に意識的に面を打たせなければならない事があって、そのために眩暈を発病した方もいました。
陸上競技
該当者の3人は全て長距離ランナーで、自覚症状のほとんどが改善していますが、再発も繰り返します。主な傷害部位は腰から下の筋肉や関節ですので、それらの症状に応じた処置をしています。また、鍼灸治療は全身の体力強化にも効果がありまして、長距離ランナーの場合では低下した持久力が回復し、競技成績が向上したと言う報告も1例ありました。
サッカー
該当患者数4人の内3人が治癒あるいは改善という評価ですが、ある程度のレベルに達しているとみられる社会人1名を除き、中高生あるいはそれに準ずる実力かと思われ、鍼灸治療が何処まで役立っているのか掴みきれない印象を受けました。
その他
少数例ながら特筆すべき治療効果のあった症状、私の勉強不足で患者さんの期待に応えられなかった症状を紹介します。
 野球の外野守備中に転倒して後頭部を強打。以後、記憶・集中力が低下し、2時間以上は起きていられなく、医師の診察では異常所見が認められず来院された患者さん。[むちうち症]に対する治療の応用で2週間、4回の治療で治癒。

このほか、バレーボール・バトミントン・野球・サッカーで肩関節から上肢を痛めた患者さんが各1名ずつ来院しておりますが、1回ないし2回の治療ですので[不明]という評価になりました。また、空手によって生じた古い拳の打撲傷も、患者さんの期待に応える事が出来ませんでした。
 このように、独自の種目による傷害に対する処置は不十分なように思いますが、東洋医学的鍼灸術には[全身のバランスを整える]という利点がありまして、その部分においては貢献出来ていると思います。

2.交通事故の後遺症

傷害部位は肩関節の1例を除き、全て頚椎およびその周囲の筋肉や神経で、いわゆる[むち打ち症]と呼ばれている症状でした。主な症状は、肩こり・頭痛(頭重)・手の痛みや痺れで、重傷の場合は自律神経症状としての不眠・動悸・イライラ・震えも伴います。加害者との利害関係が拗れると更に悪化する事もありますので、体の事を考えると、一定の条件さえ整えば妥協点を早く見つけるべきかと思います。治療成績が良いのは、8人の患者さんが 自賠責保険の支給を受けられた事も大きな要素であり、関係各位のご理解に対し感謝申し上げます。手続きは簡単ですのでお気軽にご相談下さい。


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