土づくりへの取り組み
make the ground
土の微生物性
目には見えませんが、土の中には様々な種類の微生物が生息しています。ここでいう「土の微生物性」とは、土の中の細菌やその他様々な種類の微生物の数の割合のことです。微生物性の中で一番大切なことは「各種微生物の数の割合が適正であるか」ということです。これらの微生物は、一般細菌・方線菌・糸状菌・病原菌に分類できます。植物にとっては有害な菌も、自然界にあっては、それぞれ存在理由があって生息しています。完全に駆除してしまえば良いというものではありません。
土の物理性
土は、水分を含み、空気も含んでいます。農学では、これら土の3つの部分を固相(土の粒子・有機物・微生物など)・液相(水分)・気相(空気)と呼んでいます。これら3つの相の割合が4:3:3が理想とされています。この理想的な割合になっている土を、団粒構造になっている土といいます。
土の化学性
(1)土が肥料などを抱く力…CEC(塩基置換容量)
(2)土に残っている各肥料の成分の量はどれくらいか
(3)土に残っている各肥料の成分の割合はどうか。
(4)肥料中、作物が吸収する量はどれくらいか。
土壌検査の結果得られた「土の化学性」を踏まえて、施肥設計を行います。施肥設計では、A.土の中の肥料の残量を考えて、科学的にバランスを取るために投与する肥料の量の計算とB.作物の吸収量に見合う肥料の量の計算を行います。
施肥設計
あやめ生産組合では、土づくりと施肥設計を別に考えています。土づくりでは、土の微生物性や物理性の改善を図ります。ここでは良質堆肥の投入が大きな役割を果たします。施肥設計では、土の化学性の改善を図ります。窒素・リン・カリウム・カルシウム・マグネシウムといった肥料の五大要素から、鉄・銅・亜鉛・マンガン・モリブデンなどの五大微量要素までを計算に入れて施肥設計をしています。具体的には、有機質肥料と化成肥料とをうまく組み合わせて、それぞれの長所が生かされ短所が補えるように施肥設計をしています。
あやめユーキの開発
“AYAME YUUKI”
あやめユーキの開発
私たちは「食べて健康になる野菜」づくりをめざして農業技術の向上に励んできました。そして「土づくり」「植物生理」の研究を繰り返す中で様々な現象に出会い、知識を得て、独自理論の構築を試みてきました。その成果を「土壌活性材」や「葉面散布材」などの各種農業資材の開発にも応用してきました。また、私たちのめざす取り組みに賛同する肥料製造業者に製造を依頼して、理想的な製法で製造した堆肥「あやめユーキ」の取り扱いもしています。一般に出回っている堆肥は、市場原理の働く中で、短期間に安上がりに製造されています。これらの堆肥と違い、「あやめユーキ」は内容物も豊富で、3年の年月をかけて熟成しています。他では得られない最高品質の堆肥であると、私たちは自負しています。これらの良質な農業資材を用い、その栽培技術とも相まって、組合員の栽培する野菜は「食べて健康になる野菜」により近づいています。