病名・症状名 | 治癒 | 改善 | 不明 | 不変 | 総数 |
---|---|---|---|---|---|
寝違い | 15 | 3 | 8 | 0 | 26 |
頚腕症候群 | 16 | 39 | 18 | 3 | 76 |
鍼灸治療にて、かなり高い確率で治っております。[不明]という評価の8人も1回ないし2回の治療で来院しておりませんので、おそらくは治癒あるいは改善という経過ではないかと思われます。
寝違いというのは激痛で首が回せない病気で、不自然な姿勢を長時間続けた事が主因であるとされています。そのまま放っておいても1週間程度で治りますが、素人判断で揉んだり叩いたりしますと悪化する事もありますので、冷湿布程度に止めておくのがよいでしょう。鍼灸治療でも症状の激しい時は患部に対する強い刺激を避け、遠隔部から経絡のアンバランスを整える方法が中心で、改善の状態を見極めてから患部の処置をします。そして1週間たっても治らない時は、整形外科医の診察をお勧めしています。
頚肩腕症候群というのは、首筋から肩・腕から指先までに痛みや痺れ、筋力低下を起こす症状などです。ここでは、鍼灸治療の対象としている病状を簡単に説明しましょう。
首筋の真ん中に七つの椎体が重なって出来ている[頚椎]があります。この頚椎の下の方で[椎間板ヘルニア]や[変形性頚椎症]等の病変が起こりますと、ここから出ている神経が腕から指先まで支配しておりますので、上記のような症状になる訳です。これはどちらかというと中高年に多発する症状などで、運動不足や古い外傷、老化等で弱っている所に、過労や新たな外傷が引き金となって発病しているようです。また[胸郭出口症候群]といって、胸の一番上にある第一肋骨の左右で形成されている[胸郭出口]および、その近くで神経や血管が圧迫されて起こる[頚肩腕症候群]もあり、なで肩の若い女性に発病しやすいとされています。
以上、二つのタイプは専門医の診察で解るのですが、原因が分からないまま[頚肩腕症候群]の症状だけがあるケースも多く、当院の該当患者さんも大半がこれに属します。おそらくは[生活習慣病]との関わりもあるのでしょうが、何れにしても鍼灸治療では消炎・鎮痛、血流促進効果ばかりではなく、全身の機能的アンバランスを整える作用がありますので、諦めかけていた症状が改善する事も期待できます。
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