頭痛

病名・症状名 治癒 改善 不明 不変 総数
頭痛 6 29 8 1 44
  筋緊張性頭痛 3 24 3 1 31
片頭痛 1 6 3 0 10

鍼灸院レベルで遭遇する頭痛は限られたものです。当院で治療した患者さんを以下の三つに分類してみました。

1.筋緊張性頭痛

肩から首筋、頭部の筋肉が緊張し、周囲の神経を圧迫して虚血性頭痛を引き起こすものです。持続的な痛みが両側の側頭部や後頭部にあり、バンドで締め付けられるような圧迫感や頭重感を伴います。鍼灸で肩こりの治療を根気よく行いますと治る確率の高い疾患です。

2.片頭痛

片頭痛の患者さんは種々の刺激に対して過度の血管収縮を招きやすく(この時に頭痛の予感がある)、その反動として過度の側頭部の血管拡張を起こし、嘔気・嘔吐を伴う拍動性の激しい頭痛になり、発作が治まれば総ての症状はなくなります。多くは片方の頭が痛みますが、両方とも痛む事もあります。
 医師の治療では血管の収縮を促す薬を使いますが、発作のない時期に食生活を整えて胃腸の状態を改善しておく必要があります。
 鍼灸治療は、薬物療法でも治らない時、発作の治まっている時期に胃腸の働きを整える治療をしますと効果が期待できます。片頭痛が長引いて[てんかん]になった例もありますので十分ご注意下さい。

3.その他の頭痛

以上の2種類の他に、眼・鼻・歯・耳等の近隣器官の疾患によって起こる頭痛や、各種内臓疾患の影響で発病する頭痛があります。
 ここでは頭痛と一緒に他の部位も治せる治療法を紹介しましょう。それは頭の天辺にある[百会]というツボに対するお灸です。他の部位に比べてさほど熱さを感じないし、症状に対するツボの取り方が適切であれば治療直後から楽になります。お灸の後をブラシ等で引っかかないようにして頂けば化膿する心配もありません。数本の髪の毛を犠牲にしますが、お灸を止めれば新しい毛が生えてきます。ここには沢山の経絡が集まっていますので([経絡と経血について]参照)離れた部位への効果が期待でき、古書では「百病皆治す」と書いてある本もあります。私の経験では頭痛の他に、眼や鼻の病、痔疾に対して効果がありました。ちなみに当院では6人の患者さんに行い、それぞれの目的とする効果がありました。
 頭痛が長期間続く時は[脳腫瘍]や[脳血管障害]の事もあります。恐がらずに脳神経科の診察を受けましょう。最近の医療は進んでおりますから、早期に発見すれば高い確率で治ります。


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