〜過電流とブレーカー〜 「電気は便利なもの」と言っても、使い過ぎると問題を発生することがあります。 例えば、ひとつのコンセントまたは一本のコードから多くの器具を使う(多くの電流を流す)と、配線が発熱したり、発火したりする危険があります。 このため電気器具や電線(テーブルタップ)などには、定格を超える「過電流」が流れるのを防ぐため、ヒューズやブレーカと呼ばれるものが取り付けられていることがあります。 また住宅などにも、配線の容量や受電契約容量に応じて、ブレーカーが配電盤に取り付けられています。配電盤の左部または上部には、契約電流を超えないようにするリミッター(またはアンペアブレーカ)、そして漏電ブレーカ、各コンセントなどごとに20(A)程度のブレーカが設備されているのです。 このブレーカが作動した場合(いわゆるブレーカ落ち)は、そのレバーをONにすれば復旧できますが、大切なのは「なぜ落ちたか」を把握することです。
当然電流が多くなったわけですが、 @の場合は、コンセントから幾つかの器具を抜くことで良い訳ですが、A及びBの場合、器具や配線から火災を発生することもありますので、ブレーカを復旧する前によく点検しましょう。 よく落ちるからと言って、ブレーカをテープ止めしては、絶対いけません。 ブレーカは「電気を安全に使う」ための工夫として開発されたものといえましょう。
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〜過電流とタコ足配線〜 「タコ足配線は危ない」と言われます。 でも家の中は電気を使うものばかり。コンセントは瞬く間に不足してしまいます。 では、安全に使うにはどうすれば良いのでしょうか。 まず、使用する機器の電流の合計が、コンセントや配線に許された「定格電流」を超えてはいけません。電力の小さい機器は、テーブルタップなどを用いて、口数に余裕のある限り接続してかまいません。ただしACアダプタなどは熱を発生し温度が上がったり、それ自体が重いものがありますので、配線が引っ張られたり熱がこもらないよう、短い接続線などを活用し間隔にゆとりを持たせることも必要です。
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〜漏電とアース〜 過電流と同じくらい怖いのが、漏電です。 コンセントから供給された電流は、配線から器具へと流れ、再び配線を通ってコンセントへと戻ります。このとき配線や器具から他へ流れる電流が漏洩(漏電)電流です。この電流は、人体や動物に流れると感電して生命に危険を及ぼしたり、火災を発生したりします。 このため配電盤には、往復の電流を監視し、漏電を検出すると電源の供給を中止する漏電ブレーカが設置されています。 この漏電ブレーカが作動した場合もまず原因を究明することが大切です。 また、電気器具から万一漏洩電流が生じても、使う人が感電しないように器具のアースを取ることも必要です。またこのアースは、電気器具から生ずる雑音が、他へ影響を与えないようにするためにも有効です。
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〜絶縁不良と事故〜 電線など電気の通り道は、主に銅などの金属で作られています。またその周りは、電気を通さない樹脂やゴムなどの絶縁体で覆われています。 ところが長期にわたって使用していると、絶縁物に亀裂が入ったり、端子などの金属部分にたまった埃に塩分と湿気が加わったりして、不本意にも電気の通り道が出来てしまうことがあります。 絶縁が本来の意味をなさないことから「絶縁不良」となり、異常電流が流れたり、漏電したりします。 また、先ほどの埃に電流が流れると焦げて炭化しそれがまた電気を通してさらに加熱し、火災まで発生することになります。
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