このページでは趣味で木彫をされている方のために、道具や技法の基礎について解説します。特に、個人で技法書などを買って独学で木彫をされている方に見ていただきたいと思います。技法書などを読んだだけでは理解しにくい部分、わからない点をなるべく合理的に解決できるように解説できればと思っています。
また、これから木彫を始めようと思っている方、道具は揃え意志はあるのだがそのままになってしまった方などにも、参考にしていただければ幸いです。
このページをまとめるにあたって、私自身も勉強しながらすすめていきたいと思っています。内容については随時更新していくつもりですが、ご意見、ご質問などありましたらお寄せください。
千年工房代表 山口奉宏
◇このページでの「木彫」の位置付け◇
このページでは、特に「○○彫り」「○○彫刻」というかたちで木彫を定義しません。木という素材を刃物を使って彫る、というシンプルな意味で木彫という言葉を使っています。自分を表現する一手段としての木彫、と位置づけておきたいと思います。
◇何から始めたらよいか(これから始める方へ)◇
木彫を始めたいという方に希望を聞いてみると、男性なら仏像などの丸彫りを、女性なら鎌倉彫に代表される木工芸品を彫ってみたいという方が多いようです。このページでは具体的に「○○彫りの彫り方」という指導はしませんので、内容についてはご自身で探っていただくしかありませんが、板材を材料として浮き彫り彫刻から始めるのが適当かと思います。書店で購入できる技法書の中には、下絵が添付されているものもあるようですので、それを使われてもよいでしょう。ただ、まずはできるだけ単純なデザインで、最低限の道具で彫れる内容がよいと思います。最初から作品を作ろうと思わずに、彫る行為に慣れることが肝心です。練習のための「小さな単位でトレーニング(1)」を試されてもよいでしょう。